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DEIM2021で研究成果を発表

2021年3月1日〜3日にかけて開催されたDEIM2021(第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム)にて,研究室の学生9名がDEIM2021で下記の研究成果を発表しました.

  • 庵谷拓輝, 山本祐輔:「評価値に翻弄されないレビュー情報探索を促す検索結果スニペット」, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), pp.F11, March 2021.
  • 奥瀬雄哉, 山本祐輔:「分野横断の架け橋となる情報推薦」, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), pp.F24, March 2021.
  • 勝又千夏, 山本祐輔:「社会的不利益と後悔の回避のためのソーシャルメディアデータの忘却ニーズに関する調査」, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), pp.I14, March 2021.
  • 清水勇祐, 山本祐輔:「ウェブ検索における便益とプライバシーリスクを考えさせる情報提示手法」, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), pp.G33, March 2021.
  • 若月祐樹, 山本祐輔:「どこでもブレスト:実世界情報をトリガとするアイデア」, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), pp.G21, March 2021 (学生プレゼンテーション賞).
  • 鈴木雅貴, 山本祐輔:「確証バイアスとウェブ検索行動の関係分析」, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), pp.F13, March 2021.
  • 永野里佳奈, 山本祐輔:「芸術作品に興味を促すキャプションの自動生成」, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), pp.H13, March 2021.
  • 梅田浩郎, 山本祐輔:「ユーモアセンスを向上させる文章作成支援インターフェース」, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), pp.G21, March 2021.
  • 齊藤史明, 山本祐輔:「トピック理解のためのより貪欲な情報探索を促進する問いかけ文の提示」, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), pp.F11, March 2021 (学生プレゼンテーション賞, 注目研究賞).

各学生の発表について,以下に内容の紹介と感想を記します:

評価値に翻弄されないレビュー情報探索を促す検索結果スニペット(庵谷)

内容は「ユーザの慎重な情報探索の促進のために,損失回避バイアスを考慮した検索結果スニペットの生成・提示手法を提案する」というものです. 発表後の質疑応答では,研究をより良いものにするための助言をいただくことができました. これだけでも,DEIM2021に参加する価値があったと思います. また,他大学の学生や先生の発表を聴講し,統計分析手法や機械学習などの自身の研究に適用できる知識や技術の理解をより深めるべきだと感じました.

分野横断の架け橋となる情報推薦(奥瀬)

本研究は,興味を持てるようになりたい分野が自身の現在の興味のある分野とかけ離れた分野である場合でも,簡単にその分野の情報を習得できるようにするための情報推薦に関する研究です.現在の興味のある分野から興味を持てるようになりたい分野へと推薦する情報を徐々に変えて情報推薦を行います.発表後には,コメンテーターの方から研究をより発展させるための意見をいただくことができました.初めての学会発表でしたが,自身の研究に興味を持ってもらえたり,フィードバックをもらえるという体験は非常に良いものでした.

社会的不利益と後悔の回避のためのソーシャルメディアデータの忘却ニーズに関する調査(勝又)

「後悔と社会的不利益の回避のためのソーシャルメディアデータの忘却ニーズに関する調査」と題し,データを残すことで生じる問題の解決に向けた,データの保存や削除に対するSNSユーザの意識についての調査結果を発表しました. オンラインで支障なく規定時間内に発表を終えることができました. 質疑で議長の質問内容を理解するのに時間がかかってしまった点について反省しています.

ウェブ検索の便益とプライバシーリスクを考えさせるための情報提示法(清水)

ウェブ検索ユーザに対し,トラッキングなどのリスクを実感させ,便益とリスクのトレードオフを考える機会を作ることを目的にした研究です. 過去に訪れたページのうち,検索結果のリンク先を閲覧することで収集されてしまう可能性のあるウェブページのタイトルを,検索結果に合わせて表示するウェブ検索インタフェースを提案しました. セッションでは提案インタフェースと,評価実験の内容について発表しました. 無事に発表を終えることができ,座長の先生,コメンテータの方や,同一セッションの発表者の方からも有意義なご助言を頂きました.

どこでもブレスト:実世界情報をトリガとするアイデア発想再開支援(若月)

従来のブレインストーミング支援では量が重視されてきましたが,質に着目することでより創造的なアイデア発想を促せるのではないかと考えました.そこで,ヒントとなる実世界の情報を推薦して,意外性のあるアイデアの観点の発見を促すための,ベクトル化とクラスタリングの手法の提案と評価を行いました.結果として,提案手法は比較手法よりも意外性のある観点を見つけることを促進したと示唆する結果が得られました.今後の課題として,妥当性の評価が不足していること,実際のブレインストーミングで使うためのシステムとUIの実装を今後行うことが挙げられます.

確証バイアスとウェブ検索ユーザの関係分析(鈴木)

自分の信念と一致する意見を優先する「確証バイアス」を有するウェブ検索ユーザの行動を定量的に明らかする研究です.具体的には,実験協力者にオンライン上で情報探索タスクを行ってもらい,その行動ログを分析しました.ユーザ実験の結果,検索トピックに否定的な信念を持つユーザは,注意深く検索閲覧行動を行わないことが明らかになりました.

芸術作品に興味を促すキャプションの自動生成(永野)

芸術を鑑賞しない人に向けて興味を持つことを狙い,Twitterハッシュタグ「#名画で学ぶ」を用いて,日常生活に関連のある見方を示すキャプションの自動生成を行いました.今回の手法では,狙い通りのキャプションを生成することができませんでした.そのため今後は,データの水増しや他の大喜利データを用いてデータセットを増やすことや,評価実験を行う予定です.

ユーモアセンスを向上させる文章作成支援インターフェース(梅田)

私はG21のUI・UXのセッションで発表を行いました.研究の目的は,人のユーモラスであろうとする態度を向上させるために,日常生活でユーモラスであろうとする態度が向上するような仕掛けを提案することです.目的を達成するための提案事項は,文章執筆中に文章内容と関係のあるユーモラスな画像を表示することです.発表では,この研究の目的,提案事項,結果と考察について報告することができました.研究の最終目的に関する質問や研究で使用する画像に関する質問が為されたが,自分の見解を端的に伝えることができました.

在学中に参加する最後の学会発表でした.今までの発表の中でも一番落ち着いて発表することができました.

トピック理解のためのより貪欲な情報探索を促進する問いかけ文の提示(齊藤)

あるトピックについて理解するためにウェブ探索をする際に,知るべき情報を得ずに探索を終えてしまうユーザに対して,トピックについて質問形式の問いかけを行うシステムの提案です.問いかけによって,ユーザが不足を感じてより貪欲にウェブ検索を行うことが期待されます.問いかけ文の生成には学習器を作成し,Yahoo!知恵袋から良い質問かどうかを分類して質問を抽出します.ユーザ実験の結果,今回は問いかけによる効果が確認されませんでしたが,今後の課題として態度面の効果や長期的な使用による効果の測定が考えられます.