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2021年4月第3週朝活論文紹介

当研究室では毎週月〜木曜日の朝9:00-10:00は,研究室のメンバーで集まって英語の論文を読んで紹介するというイベントを行っています.

今週の朝活では,下記論文を紹介しました.

  • Searching to Learn with Instructional Scaffolding (from CHIIR 2021)
  • Formation of Social Ties Influences Food Choice:A Campus-Wide Longitudinal Study (from CSCW2021)
  • Calendar.help: Designing a Workflow-Based Scheduling Agent with Humans in the Loop (from CHI 2017)
  • Comparing Data from Chatbot and Web Surveys (CHI2019)

Searching to Learn with Instructional Scaffolding (from CHIIR 2021)

書誌情報

Arthur Câmara, Nirmal Roy, David Maxwell, Claudia Hauff: Searching to Learn with Instructional Scaffolding, InProceedings of the 2021 ACM SIGIR Conference on Human Information Interaction and Retrieval (CHIIR’21), March 14–19, 2021, Canberra, ACT, Australia.ACM, New York, NY, USA,10 pages.

140字概要

提案インタフェースを用いて知識習得のための検索タスクを行ってもらった.検索対象のクエリに応じたサブトピックの一覧を表示し,各トピックの検索度合が色として表示されることで更なる検索を促すことを狙った.学習者の積極的な検索行動を促したが,トピックの理解度の向上には貢献しなかった.

まとめスライド(1枚のpngファイル)

Searching to Learn with Instructional Scaffolding.png (185.4 kB)

感想
  • 足場かけのアプローチを検索行動に適用するのは有用であると感じた.ただ,さらに良くするためには学習者が本来の意図を見失わないように設計することが重要であると考えた.
  • FEEDBACKにおいて,サブトピックに関する理解度でUIを変更させることができれば,より良いインタフェースになると感じた.
  • 知らない事物の検索では一部のサイトに頼りがちになるので,可視化の試みは本質的で良いことだと感じた.
  • 行動の変化を促すことは可能だという結果から,人間は簡単に外部から意思決定への影響を受けるのだと改めて感じた.しかし,表面的な行動は簡単に変化しても,知識獲得量に変化がなかったということは,影響を受けづらいこともあるいうことだと考えられるので,その違いが何か考えたい.

Formation of Social Ties Influences Food Choice: A Campus-Wide Longitudinal Study (from CSCW 2021)

書誌情報

Gligorić, K., White, R. W., Kıcıman, E., Horvitz, E., Chiolero, A., & West, R. (2021). Formation of Social Ties Influences Food Choice: A Campus-Wide Longitudinal Study. arXiv preprint arXiv:2102.08755.

140字概要

食事パートナーの有無による食事内容への影響を調査する。大学で収集されたログを分析し、健康度スコアを付与。健康度スコアや購入商品カテゴリの変化を考察する。結果、食事のパートナーの影響を受けて、食事習慣や特定の食品の購入頻度が変化することが分かった。また、その影響力は健康なパートナーの方が強かった。各人の健康度スコアが一貫して高くなったほか、購入商品の内容にも変化が見られた。

まとめスライド(1枚のpngファイル)

Formation of Social Ties Influences Food Choice.png (326.6 kB)

感想
  • The environment is so important that we need to select a good environment for ourselves no matter it comes to dietary life, job environment, and social environment.
  • 健康/不健康で思ったより差があると感じた。実際パートナーの何を見て変化が起きたか、健康/不健康グループで違いがありそう。(パートナーの食事内容、体形、言動など)
  • ダイエットしようと思ったら、痩せている友人と食事する回数を増やすだけで効果があるかもしれないと感じた。実用性の高い結果なのではないだろうか。

Calendar.help: Designing a Workflow-Based Scheduling Agent with Humans in the Loop (from CHI 2017)

書誌情報

Justin Cranshaw, Emad Elwany, Todd Newman, Rafal Kocielnik, Bowen Yu, Sandeep Soni, Jaime Teevan, Andrés Monroy-Hernández: Calendar.help: Designing a Workflow-Based Scheduling Agent with Humans in the Loop. CHI ‘17: Proceedings of the 2017 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems, 2382–2393, 2017.

140字概要

メールベースでスケジューリングを支援するツールを提案した.宛先にボットを含めてメールを送信すると「予定の確保までを自動化する」「知識の有無に関わらず人間が行う」「知識を持った人間が行う」の三段階に分け自動化を試みる.実験では多くの利用者が作業の負担を減らすことができたと回答した.

まとめスライド(1枚のpngファイル)

Calendar.help_ Designing a Workflow-Based Scheduling Agent with Humans in the Loop.png (155.1 kB)

感想
  • 1 対 1 のミーティングの場合と,大人数の場合では必要となるアプローチが異なると感じた.1 対 1 の場合は複雑なワークフローになりにくいが,大人数の場合は誰に妥協を求めるかなど判断が難しい場合もあるので,データ(サンプルケース)の収集だけでは足りない.大人数の場合は,メールに気がついていない場合などの対処にも工夫する必要があると感じた.
  • 機械が自動的に行う処理と、人間が行う処理とを上手く繋げてあると感じた。それぞれに得意なタスクを分散させることで全体として作業精度を向上させている。しかし、大人数の会議に対応するのは難しいという改善点はあった。投票方式を採用することで、お互いに他の参加者に融通するかもしれないということが考えられ、この方法をどのように盛り込むかが1つポイントになると感じた。
  • より自動化を進めるためには,構造化されていない部分に焦点をあてる必要があり,そのためにはより多くのデータが必要であると感じた.スケジューリングに関しては,組織の規模にもよると思うが,全ての人の予定を完全にとりいれることは困難だと思うので,妥協しても問題はないのではないか,既存のスケジューリングの方法でも問題ないのではないかと感じた.

Comparing Data from Chatbot and Web Surveys (from CHI2019)

書誌情報

Soomin Kim, Joonhwan Lee, Gahgene Gweon: Comparing Data from Chatbot and Web Surveys. The ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems is the premier international conference on Human-Computer Interaction (CHI2019), Paper.86, pp.1-12, 2019 May.

140字概要

この研究では、オンライン上での回答品質を保つためのアンケート形式について調査する。回答フォーム(WEB・ボット)× 会話スタイル(フォーマル・カジュアル)で、被験者間実験を行った。結果としてボット × カジュアルの場合、会話の楽しさから被験者の参加意欲が高まり、回答の品質が高かった。

まとめスライド(1枚のpngファイル)

comparing_data_chatbot_web.png (604.5 kB)

感想
  • オンライン上で真面目に回答させるために、強制させるのではなく楽しませることで集中を促す部分が興味深かった。アンケート回答以外でも、オンライン上で人が介入しないやりたくないことを自然とやらせること(オンライン授業など)に、応用できるのではないかと思った。
  • チャットボットの良さがたくさん知れた面白い研究だった。チャットボットという見た目だけではなく、そのボットがしゃべる雰囲気(フォーマル vs カジュアル)を変えることによってユーザの行動を変えれることや、どこでもいつでも使えることが良いと思う。また、カジュアルな雰囲気でアンケート調査することは、人間のインタビュアーでもWebアンケートで行えばチャットならではの良さだと思った。