推薦アルゴリズムやSNSの利便性に潜むフィルターバブル問題を自分事として捉えることは難しい.本稿ではこの解決のため,ユーザが情報推薦アルゴリズムの影響を物理空間で疑似体験するカメラフィルターFilter Bubble Camを作成した.Filter Bubble Camはユーザの嗜好情報を得ることで,ユーザの好むものだけが写真に写るよう,画像処理によって撮影した写真からユーザの嗜好に合わないものを削除する.Filter Bubble Camの体験によって,ユーザがフィルターバブルにより提示される情報の偏りを把握し,情報推薦アルゴリズムによるデメリットを体感的に学ぶことを狙う.コンセプトの評価を行ったところ,提案手法のアプローチはフィルターバブルやそのデメリットを体感するために有効であった.
参考文献
- 稲垣桃,山本祐輔: “Filter Bubble Cam:フィルターバブルを体感するためのカメラフィルター”, 第26回情報処理学会シンポジウム インタラクション2022, pp.ID172, March 2022.