芸術は文化や教育面で重要な役割を持つが,もともと関心を持っていない人は芸術を鑑賞しない.この研究では,このような芸術を敬遠している人が興味を持てるよう,絵画作品とそれにつけられたテキストをストーリー展開になるよう並び替え,鑑賞者に提示する手法を提案する.
一般的な美術館の鑑賞では,専門的な用語が含まれた解説文がつけられているため,そもそも関心を持っていない人にとっては興味を持ちづらい.この問題を解決するため,芸術作品を4コマ漫画のような起承転結のストーリー形式にし,鑑賞者に作品を印象付けて興味を持つことを狙う.具体的には,絵画作品からテキストを生成し,起・転・結のストーリー構成になるよう並び替えを行う.3つ目に詩的な表現を取り入れることで,最後にオチを作るようにした.さらに各ストーリー構成要素を反映した接続判定器を構築し,各テキストの組み合わせがストーリーとして成立するようにした.提案手法によって,鑑賞者が芸術に対して親近感や共感を得られることを期待する.
参考文献
- 永野里佳奈, 山本祐輔: “芸術作品に興味を促すビジュアルストーリーの自動生成”, 第14回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2022), March 2022.