多くの人がウェブページにアクセスするために検索エンジンを使用しているが,多くの検索エンジンはウェブページのプライバシーリスクを評価するために十分な情報を提供していない.ウェブ検索ユーザのプライバシー保護のための単純なアプローチは,リスクのある可能性が存在するページを検索結果から除外する,もしくは閲覧しないことである. しかし,エンタメ関連のトピックなど,分野によってはトラッキングを積極的に受け入れるユーザも存在する.単純な方法ではウェブ検索ユーザがある程度のリスクを受け入れてでも閲覧したい情報を取得する機会を奪うことになる.
本研究では,プライバシーリスクの評価に十分な情報量を検索結果に表示する IconUI および RatioUI という 2 種類の UI を提案する.IconUI では自分の情報が知られてしまうウェブページの具体例をファビコンで表示する.RatioUI ではウェブページのカテゴリや件数など,全体的な傾向を表示する.これらの UI によって,トラッキングによるプライバシーリスクとウェブページ閲覧の便益とのトレードオフ評価を支援することを目的としている.
参考文献
- 清水勇祐, 山本祐輔: “プライバシーリスクの範囲と程度を実感させるウェブ検索スニペット”, 第14回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2022), March 2022 (学生プレゼンテーション賞).