多くの人がウェブ検索を通じて調べ物を行っているが,ウェブ情報は誤った情報が多いという問題がある.ウェブには誤った情報が多いにも関わらず,ウェブ検索ユーザはデータや証拠の有無といった「内容の品質」よりも,デザインのきれいさといった「見た目の品質」を優先してしまう傾向がある.
こうした問題を解決するため,本研究では,ユーザが見た目の品質ではなく,内容の品質を重視した情報精査を行う必要性を感じてもらうためのインタフェースを提案した.具体的には,検索結果ページの横に自身のページ閲覧傾向のスコアを可視化したゲージを表示した.ユーザが内容の品質が高いページを閲覧した場合はスコア上昇し,見た目の品質が高いページを閲覧した場合はスコアが下降する仕組みになっている.しかし,そのユーザはその仕組みを直感的に理解できず,情報探索によるスコアの変動を通じてのみわかるようになっている.このような設計にすることによって,見た目の品質よりも内容の品質が高いページを閲覧することが重要であるとユーザに内省させることを狙う.
参考文献
- 鈴木雅貴, 山本祐輔: “情報の精査傾向を内省させるためのウェブ検索インタフェース”, 第14回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2022), March 2022 (学生プレゼンテーション賞).