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2021年6月第1週朝活論文紹介

当研究室では毎週月〜木曜日の朝9:00-10:00は,研究室のメンバーで集まって英語の論文を読んで紹介するというイベントを行っています.

今週の朝活では,CSCW2017,CHI2021から下記論文を紹介しました.

  • Visualizing Examples of Deep Neural Networks at Scale (from CHI2021)
  • SearchMessenger: Exploring the Use of Search and Card Sharing in a Messaging Application (from CSCW2017)
  • Aiki - Turning Online Procrastination into Microlearning (from CHI2021)
  • Providing Adaptive Feedback in Concept Mapping to Improve Reading Comprehension(from CHI2021)

Visualizing Examples of Deep Neural Networks at Scale (from CHI2021)

書誌情報

Litao Yan, Elena L. Glassman, Tianyi Zhang: Visualizing Examples of Deep Neural Networks at Scale. CHI ‘21: Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems, Pages 1–14, Article No.: 313, (May 2021).

140字概要

ニューラルネットワークモデル設計の際に,Web検索などを参考にして目的に応じた最適なモデルを設計することは難しい.本研究では目的に応じたモデル構造やハイパーパラメータの設計事例を可視化するExampleNetというインターフェースを作成した.これを用いて設計タスクを行った結果,ユーザは多くの事例を参考にすることができ,設計上の間違いを減らしてモデルに自信が持てるようになった.

まとめスライド

Visualizing Examples of Deep Neural Networks at Scale.png (161.9 kB)

感想
  • ニューラルネットワークの構築にあたってハイパーパラメータの設定などは人間が細かく判断する必要がある要素だと思うので,過去の事例について確認を容易にしたインターフェースは需要があるように感じた.一方で,これを用いるためには一定の前提知識が要求されるとも感じた.
  • ウェブで検索すると情報が多すぎて,どの部分を参考にしたらよいか分からない時があった.特に知識が乏しいと全体像が把握できていないので,適切に絞り込むのが難しい.モデルだけでなく,様々な分野の情報検索に応用できるのではないかと感じる.
  • AIやアルゴリズムの推定結果をどのように解釈すべきかという問題を扱うExplainableAIという分野がある.以前取り扱った「『そのモデルが社会的にどう受け入れられているか』を表示するインタフェース*」に関する論文を読んだ際にも思ったが,難しい意思決定や,専門的な知識,経験が必要となる意思決定をサポートする際には,他人が行った意思決定をその文脈(状況)と同時に表示することが有効であるのだと考えた. * Upol Ehsan, Q. Vera Liao, Michael Muller, Mark O. Riedl, Justin D. Weisz: Expanding Explainability: Towards Social Transparency in AI systems. CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI’21), 19 pages, May, 2021

SearchMessenger: Exploring the Use of Search and Card Sharing in a Messaging Application (from CSCW2017)

書誌情報

Frank R. Bentley, S. Tejaswi Peesapati:SearchMessenger: Exploring the Use of Search and Card Sharing in a Messaging Application. CSCW ‘17: Proceedings of the 2017 ACM Conference on Computer Supported Cooperative Work and Social ComputingFebruary 2017 Pages 1946–1956

140字概要

スマートフォンにて効率的に協調検索を行うために,ウェブ検索機能とメッセージ機能を兼ね備えたSearchMessengerを提案.フィールドスタディとインタビューの結果,ユーザは複数のアプリを切り替えること無く,ウェブ検索と情報共有をスムーズに行うことが出来き,効率よく協調検索を行うことができた.

まとめスライド

SearchMessenger_ Exploring the Use of Search and Card Sharing in a Messaging Application (4).png (180.3 kB)

感想
  • 現状、複数のアプリを用いないと情報の検索と共有はできない。メッセージアプリと検索アプリの機能を統合するというシンプルなアイデアだが、ユーザの手間を省き、それぞれの体験に集中させることが出来ていたと思われた。
  • カード表示自体は、それこそDiscordに搭載されているが、それでもコピー&ペーストは必要になっている。一方でこのアプリは、検索と共有の2つの機能が密結合しており、お気に入り機能によって従来には無い使われ方が誕生している。例えば既存のメッセージングアプリがブラウザ拡張と連携することで、似た機能を多くの人が利用できるようになるだろう。
  • 複数のアプリを行き来することなく,協調検索を行うことができるのは便利であると感じた.実際の利用を考えると,複数の機能を結合した新しい1つのアプリではなく,既存のメッセージングアプリに追加機能として,検索機能をつけたものなどの方が使いやすいと考える.

Aiki - Turning Online Procrastination into Microlearning (from CHI2021)

書誌情報

Nanna Inie, Mircea Filip Lungu: Aiki - Turning Online Procrastination into Microlearning. Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI2021) , Pages 1–13, May 2021

140字概要

ユーザが作業中に,生産性のないWebサイトにアクセスしようとした際,生産性のあるWebサイトに一定時間リダイレクトさせる拡張機能Aikiを提案した.従来の研究ではWebサイト自体をブロックしていたが,一定時間生産性のあるWebサイト置き換えることでユーザのストレスを減らした.

まとめスライド

スクリーンショット 2021-06-02 10.18.42.png (792.8 kB)

感想
  • It is meaningful to allow people to design the “default setting” for themselves, I may not be able to succeed in persuading myself to memorize new vocabulary before browing entertainment websites every time, but it will become easier if this procrastination is default setting.
  • 読めば読むほど好きになる論文だった.まず,名前の付け方が面白い.また,提案システムは,だだ強制するのではなく,あくまでもユーザに選択させているという設計方法が上手いと思った.また,時間を無駄なものから有益なものに変換するという考え方が面白いと思った.
  • 現段階ではchromeのみの拡張機能で,webサイトにリダイレクトするという機能のみだが,他のアプリケーションも表示できるとより需要が高まると思った.また,自主性を尊重して,時間設定を自身で設定させる,スキップ機能をつけるというアイデアがユーザにとって非常に有益で使いやすい,モチベーションをあげやすい設計だと思われ,自身の研究の参考にしたいと思った.

Providing Adaptive Feedback in Concept Mapping to Improve Reading Comprehension (from CHI2021)

書誌情報

Shang Wang, Erin Walker, CHI ‘21: Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing SystemsMay 2021 Article No.: 677Pages 1–11

140字概要

テキスト情報の学習効果を高めるため、フィードバックを与えて概念マッピングの支援をするシステムを開発した.特定の行動に対して次に推奨されるプロセスと、そのプロセスに役立つ情報がフィードバックされる.フィードバックは,利用者の比較戦略の活用と学習効果の向上が期待できると分かった.

まとめスライド

Providing Adaptive Feedback in Concept Mapping to Improve Reading Comprehension.png (178.5 kB)

感想
  • 学習の支援において,最終的な正解の知識ではなく,その知識を得るための行動を教えるというアプローチは,本質的にユーザの能力向上に寄与しそうと感じた.
  • (特に、仮説の1つ「複合的なフィードバックの効果は、フィードバックが無くなってからも持続する」については)コンテンツフィードバックの有無を比較した方が、学習法の取得を測るためのアプローチとして適していたのではないかと思った。
  • コンテンツとプロセスのフィードバックは,概念マッピング以外のケースにおいても,適用できそうと思う.