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2022年4月第1週朝活論文紹介

当研究室では毎週月〜木曜日の朝9:00-10:00は,研究室のメンバーで集まって英語の論文を読んで紹介するというイベントを行っています.

今週の朝活では,下記論文を紹介しました.

  • Replication: Effects of Media on the Mental Models of Technical Users (from SOUPS2021 )
  • CoNotate: Suggesting Queries Based on Notes Promotes Knowledge Discovery(from CHI2021)
  • Personalizing Web Search Results by Reading Level (from CIKM 2011)
  • Bringing Friends into the Loop of Recommender Systems: An Exploratory Study (from CSCW 2021)
  • Trust Me: Multimodal Signals of Trustworthiness(from ICMO 2016)

Replication: Effects of Media on the Mental Models of Technical Users (from SOUPS2021 )

書誌情報

Khadija Baig,Elisa Kazan,Kalpana Hundlani,Sana Maqsood,Sonia Chiasson. Replication: Effects of Media on the Mental Models of Technical Users. SOUPS 2021, 119–138.

140字概要

映画などのメディアは技術的な知識がない人への教育に効果的だが,内容を鵜呑みにされることもある.技術的な知識を持つ人は正しい情報を得られるかどうか検証した.セキュリティに関連した映画について,内容が現実的であったか質問した.技術系のユーザも一部のフィクションを信じてしまっていた.

まとめスライド

Replication_ Effects of Media on the Mental Models of Technical Users.png (124.2 kB)

感想
  • 「技術的なユーザ」の判断基準が少し疑問に感じた.この研究では自己申告制で情報技術に関する分野の職に就いている人や学生を「技術的なユーザ」としていた.セキュリティの分野に限定したものではなくUXデザイナーなども含まれており,対象のユーザによっては異なる結果が得られたかもしれないと考えた.
  • 技術系のユーザーがフィクションに騙されていると主張する根拠として,ユーザの「映画で見たことがあるから」という発言を挙げている.しかし,この発言は説明を簡易にする狙いがあった可能性も考えられ,根拠としては弱いと考えられる.技術系のユーザが映画などの作品から受容する影響については,より詳細な調査が必要であると感じた.

CoNotate: Suggesting Queries Based on Notes Promotes Knowledge Discovery(from CHI2021)

書誌情報

Palani, S., Ding, Z., Nguyen, A., Chuang, A., MacNeil, S., & Dow, S. P. (2021, May). CoNotate: Suggesting Queries Based on Notes Promotes Knowledge Discovery. In Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-14).

140字概要

知らない分野を調べたいユーザが有用なクエリを得るためにユーザのメモを活用したインタフェースCoNotateを提案する.これはウェブ検索中のユーザのメモ中のフレーズおよびSERPにあってメモにないフレーズをクエリの候補としてユーザに提案する.実験の結果,ユーザのクエリ発行回数を増加させ、閲覧ページあたりの獲得知識を増加させた.

まとめスライド

CoNotate_ Suggesting Queries Based on Notes Promotes Knowledge Discovery.png (162.9 kB)

感想
  • ユーザのメモを活用することで、クエリ支援を個人の知識に応じてパーソナライズすることができるなら、教育現場などでも子供の知識に合わせた問題の作問などに応用できそうだと思った。
  • メモを書く必要性がある検索タスクの考え方が参考になった.論文中では,「ジャーナリストになり,トピック2つについての調査をするタスクをする」ことを仮定してた検索タスクを設定していた.インタビューからも洞察を得られており,全体を通して研究をすすめる上で参考になる論文だと思う.
  • クエリ支援にユーザのメモを活用するのは良いと思った.肌感覚として自分の取ったメモは自分の考えをよく反映していると感じている.だから本人の取ったメモをヒントにするのは,システムにとっては個人の知識レベルを測るために適切だと感じる.ユーザの知識を測る方法は例えば閲覧履歴を見るとか他にもあるのでそれらとの比較も気になる.

Personalizing Web Search Results by Reading Level (From CIKM 2011)

書誌情報

Kevyn Collins-Thompson, Paul N. Bennett, Ryen W. White, Sebastian de la Chica, David Sontag: Personalizing Web Search Results by Reading Level. CIKM ‘11: Proceedings of the 20th ACM international conference on Information and knowledge management, Pages 403–412,

140字概要

検索エンジンにて,読者の読解レベルや文書の 読みやすさに応じて,検索結果のランキングを生成するアルゴリズムを提案.文書やスニペットの読みやすさ・ユーザの読解力レベルなどを特徴量とし,ランキングを生成.実験の結果,従来のランキングに比べて,ユーザが満足のいく検索結果が上位にランク付けされることが明らかになった.

まとめスライド

Personalizing Web Search Results by Reading Level.png (151.0 kB)

感想
  • 事前知識のない分野の情報に関して,読解レベルや文書の読みやすさを元に検索結果が最適化されることは,ウェブで学習する際に有効であると感じた.ウェブ検索を通した学習を目的とする場合,暗黙的な入力からの推定ではなく,ユーザからの何かしらの入力も活用することで,より正確なユーザの読解レベル推定が可能になると考える.

Bringing Friends into the Loop of Recommender Systems: An Exploratory Study (from CSCW 2021)

書誌情報

Jinghua Piao, Guozhen Zhang, Fengli Xu, Zhilong Chen, Yu Zheng, Chen Gao, and Yong Li. 2021. Bringing Friends into the Loop of Recommender Systems: An Exploratory Study. Proc. ACM Hum.-Comput. Interact. 5, CSCW2, Article 439 (October 2021), 26 pages.

140字概要

ソーシャルeコマースBeidianの推薦システムフィードバックに、ユーザの友人が推薦したアイテムを含める、frend-in-the-loopの効果について分析した。調査により、外部の知識、信頼、共感を活用することで、推薦システムの精度の向上(適合性)と消費者の多様なニーズ(多様性、独自性)に、良い影響を与えることが分かった。

まとめスライド

Bringing Friends into the Loop of Recommender Systems_ An Exploratory Study.png (144.1 kB)

感想
  • 友人の推薦アイテムというのはWechatでの直接的な推薦という形での介入であり、中国の国民性のもとで受け入れられたシステムではないかと感じた。推薦システムに友人の嗜好が入ること自体は、他人の視点も取り入れるという点やアイテムに対する信頼性を確認するという点で必要だと感じた。

Trust Me: Multimodal Signals of Trustworthiness(from ICMO 2016)

書誌情報

Gale Lucas, Giota Stratou, Shari Lieblich, and Jonathan Gratch. 2016. Trust me: multimodal signals of trustworthiness. In Proceedings of the 18th ACM International Conference on Multimodal Interaction ICMI ‘16. Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, 5–12.

140字概要

人間が交渉する際に,自分からみた相手の信頼度,相手から見た自分の信頼度の信号を自動的に追跡し,信頼性を予測する計算モデルを提案した.交渉をしているペアをカメラで追跡し,抽出した信号を用いて4つの指標から信頼性を予測した.その結果,他のモデルと比較して,予測精度が向上した.

まとめスライド

_Trust Me_ Multimodal Signals of Trustworthiness.png (237.6 kB)

感想
  • このシステム,予測モデルを用いる場合,どちらかというと相手から見た自分の信頼度がわかることの方が需要があるのではないかと思った.一方で予測結果に対して,どのような要因が寄与しているのかがわからないため,もう少しユーザにのって使いやすい結果の伝え方を追求すると良いのではないかと考える.