当研究室では毎週月〜木曜日の朝9:00-10:00は，研究室のメンバーで集まって英語の論文を読んで紹介するというイベントを行っています．
今週の朝活では，下記論文を紹介しました．
- Visual Interactive Privacy Policy: The Better Choice? (from CHI 2021)
- The Impact of Entity Cards on Learning-Oriented Search Tasks（from SIGIR 2021）
- Tabular data: deep learning is not all you need (from ICIF 2022)
- SonAmi: A Tangible Creativity Support Tool for Productive Procrastination (from C&C 2021)
- HIERARCHICAL MUSICAL INSTRUMENT SEPARATION(from ISMIR 2020)
Visual Interactive Privacy Policy: The Better Choice? (from CHI 2021)
書誌情報
Daniel Reinhardt, Johannes Borchard, and Jörn Hurtienne. Visual Interactive Privacy Policy: The Better Choice? In Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI 2021). Association for Computing Machinery, Article 66, 1–12.
140字概要
インタラクティブにプライバシーポリシーを表示するプロトタイプを提案した．提案インタフェースによってポリシーの閲覧時間は増加した．またデータの扱いに関して透明性が伝わりやすくなることでサービス運営者の印象を良くする可能性が示唆された．
まとめスライド
感想
- プライバシーポリシーの内容を理解しやすくなる良いインタフェースだと感じた．一方で，サービスの利用前に確認できたり，他のサービスとの比較も容易にできるようになると，よりユーザにとって使いやすいものになると感じた．
- プライバシーポリシーは，文量が多く内容も平易ではないため，しばしば読み飛ばされる．表形式での簡潔なまとめ＆インタラクティブな情報提供により，ユーザはより時間をかけて文章を読むようになった．他方で，内容への理解を促進できるか否かについては議論の余地がある．
- 閲覧時間とユーザの理解度や納得感は必ずしも比例しないし，ユーザの態度はすぐには変わらないので統計量に加えて，もっとインタビューの数と時間を増やしたらいいと思った．
The Impact of Entity Cards on Learning-Oriented Search Tasks（from SIGIR 21）
書誌情報
Salimzadeh, S., Maxwell, D., & Hauff, C. (2021, July). The Impact of Entity Cards on Learning-Oriented Search Tasks. In Proceedings of the 2021 ACM SIGIR International Conference on Theory of Information Retrieval (pp. 63-72).
140字概要
Search as Learningの文脈に置いて，SERPにタイトルや画像，概要などをまとめたエンティティカード（EC）を表示することが学習成果の観点から有用であるかどうか調査した．ECの有無は参加者の学習効果に明確な影響を与えないが，滞在時間や検索セッション持続時間などの指標で参加者の検索行動に影響を与えることが明らかになった．
まとめスライド
感想
- SERP画面に今回のエンティティカードのような情報が要約されたものを提示しても，学習効果の観点において有用性がないことが明らかになった．SERP画面には，ユーザの情報検索を促すような仕組みを加えることが必要になると感じた．
- SERP上で実際に学習効果を高められるインタフェースが他にあるか先行研究などを調査したい．
Tabular data: deep learning is not all you need (from ICIF 2022)
書誌情報
Ravid Shwartz-Ziv, Amitai Armon, Tabular data: Deep learning is not all you need, Information Fusion, Volume 81, 2022, Pages 84-90, ISSN 1566-2535
140字概要
論文で提案された深層学習モデルが，論文で用いられたデータ以外のテーブルデータに対しても，XGBoostと比較して精度が良いのか，学習やパラメータチューニングに要する時間がどの程度であるかを確認した．その結果，多くの場合，提案された論文のデータセット以外では，精度が低くなり，学習やチューニングの時間も多くかかった．
まとめスライド
感想
- ビジネスの場面では，限られた時間の中で新しいテーブルデータに対して複数のモデルからどのモデルを用いるかを選択する際は，安易に深層学習を選択することは避けた方が良いと感じた．また，説明可能性という観点からも深層学習は選択されにくそうだと思った．
SonAmi: A Tangible Creativity Support Tool for Productive Procrastination (from C&C 2021)
書誌情報
Jekaterina Belakova and Wendy E. Mackay. 2021. SonAmi: A Tangible Creativity Support Tool for Productive Procrastination. In Creativity and Cognition (C&C 2021). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 7, 1–10. https://doi.org/10.1145/3450741.3465250
140字概要
ライターの創造的な文章編集のための自然な内省を促すコースター’SonAmi’を提案し効果を検証した．ユーザがマグカップを持ち上げると，SonAmiは編集中の文章の一部を合成音声で読み上げ，ユーザに文章の内省を促す．結果，休憩している最中に自然と第三者の話を聞いている気持ちになり客観的に内省ができ，新たな視点を得ることができた．
まとめスライド
感想
- 自然な動作の中に内省のきっかけを与えてくれるデザインとして参考にしたい．
HIERARCHICAL MUSICAL INSTRUMENT SEPARATION(from ISMIR 2020)
書誌情報
Ethan Manilow, Gordon Wichern, Jonathan LeRoux: HIERARCHICAL MUSICAL INSTRUMENT SEPARATION. ISMIR 2020, 8pages.
140字概要
用途に応じて音を階層的に分類する手法4種類を提案。階層的に音楽分離する4つのモデルを提案し、ボーカル、ベース、ドラム以外の”その他”にまとめられる音を階層的に抽出した。モデルのうち、複数の構成要素（楽器）に関するパラメータを持っている方が、階層的な知識を活用できるために、より高い精度だった。
まとめスライド
感想
- 音源の階層的構造に分けて抽出することは、隠された一音との出会いを生み出すことにも繋がる。何か新しいサービスや機能に発展してほしい。