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2022年6月第4週朝活論文紹介

Conversations with Documents: An Exploration of Document-Centered Assistance (from CHIIR 2020)

書誌情報

ter Hoeve, M., Sim, R., Nouri, E., Fourney, A., de Rijke, M., & White, R. W. (2020, March). Conversations with documents: An exploration of document-centered assistance. In Proceedings of the 2020 Conference on Human Information Interaction and Retrieval (pp. 43-52).

140字概要

文書を中心としたユーザ支援領域において,どのような支援が有効であるかを調査した.また文書中心の質問について回答を行うモデルを提案した.調査結果からユーザが期待する機能や質問の種別が明らかとなった.また得られたデータを用いて,文書の質問検出と回答のためのベースラインモデルを作成した.

まとめスライド

CleanShot 2022-06-30 at 10.15.07.png (214.9 kB)

感想
  • 文書に対する検索を質問として捉えると,TextToSQLにもつながるテーマだと感じた.文章改善のための質問などに対応できるとさらにユーザ支援の幅が広がるのではないかと思う.
  • 文章を理解する際に,ユーザがどのような支援を必要としているのかが明らかにされており,文書支援の研究を行う上で,参考になる研究であると感じた.ウェブ上のページを膨大なドキュメントと捉えると,ウェブ検索における支援にも応用できるのではないかと思う.

Exploring the Design Space of InterActive Urban Environments: triggering physical activity through embedded technology (from DIS 2021)

書誌情報

Loes van Renswouw, Steven Vos, Pieter van Wesemael, and Carine Lallemand. 2021. Exploring the Design Space of InterActive Urban Environments: triggering physical activity through embedded technology. In Designing Interactive Systems Conference 2021 (DIS 2021). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, 955–969.

140字概要

運動は身体だけでなく精神の健康にとっても重要である.他方で,習慣的に運動をすることは精神的なハードルが高い.そこで,この研究では,デジタル技術を用いて,人々が楽しみながら自然と運動を行える都市デザインを検討した.既存の都市デザインの調査,新しい都市デザインの検討,ユーザ実験を経て,都市デザインの有用性を示唆した.

まとめスライド

Exploring the Design Space of InterActive Urban Environments_ triggering physical activity through embedded technology (3).png (366.7 kB)

感想
  • この研究で検討した都市デザインコンセプトの活用によって,人々が楽しみながら運動を実施できる可能性が示唆された.他方で,この研究では日常的に都市内を歩行しない人々には注目されていない.例えば,コロナ禍で外出機会が減少した人や地方の車社会で過ごす人,高齢で外出が困難な人はこの研究で想定する都市デザインの恩恵は享受できない.こうした人々にも運動機会を自然に与えるには,別の種類の都市デザインが必要なのか,そもそも都市デザインとは異なるアプローチが必要なのか,検討する余地が残されている.

OtherTube: Facilitating Content Discovery and Reflection by Exchanging YouTube Recommendations with Strangers(from CHI 2022)

書誌情報

Md Momen Bhuiyan, Carlos Augusto Bautista Isaza, Tanushree Mitra, and Sang Won Lee. 2022. In Proceedings of the 2022 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI ‘22). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 204, 1–17.

140字概要

他者のレコメンデーションを取り込むことによって、新しいコンテンツ発見や個人体験の内省を可能にする、OtherTubeを提案した。システムにより、ユーザは他者のレコメンドから自身の新しい興味を発見したり、取り入れた。他者の興味についても省みて、類似点や相違点について認識していた。

まとめスライド

OtherTube_ Facilitating Content Discovery and Reflection by Exchanging YouTube Recommendations with Strangers.png (201.8 kB)

感想

実験としてだったら受け入れられるが、一般化するには想像しがたいと思った。ただランダムにレコメンドを交換するだけでない、あと少し何か工夫があったらいいと思った。

Indirect Content Privacy Surveys: Measuring Privacy Without Asking About It (from SOUPS 2011)

書誌情報

Alex Braunstein, Laura Granka, and Jessica Staddon. Indirect content privacy surveys: measuring privacy without asking about it. In Proceedings of the Seventh Symposium on Usable Privacy and Security (SOUPS ‘11). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 15, 1–14.

140字概要

個人の情報の共有への拒否感について感情的な反応を避けるために間接的な測定手法を提案した.間接的な文言で尋ねられた場合には情報自体の重要度を重視する一方で,プライバシーに関して直接的な文言で質問された場合にはその情報が公開された場合の不快感を重視する傾向にある可能性が示唆された.

まとめスライド

Indirect Content Privacy Surveys_ Measuring Privacy Without Asking About It (1).png (165.7 kB)

感想
  • 論文では間接的な文言(質問内で具体的なリスクについて言及しない)と直接的な文言(具体的なリスクに言及する)では個人データが収集されることに対する拒否感に差が見られたことに言及している.しかし,間接的な質問によって得られた回答は個人にとってそのデータがどの程度重要かを表しているもので,プライバシー意識(個人のデータが共有されることへの拒否感)とは異なるのではないかと感じた.

Thoughts on the Vulnerability of the Field of Computational Social Science(from CSS 2017)

書誌情報

CSS 2017: Proceedings of the 2017 International Conference of The Computational Social Science Society of the AmericasOctober 2017 Article No.: 5Pages 1–5 https://doi.org/10.1145/3145574.3145580

140字概要

社会計算額の定義について,経済社会研究評議会の国立研究法センターが定めた「学問分野を構成する6つの特徴」に基づき,正確性とロバスト性を評価した.計算社会学には特有の研究対象や理論,専門的な知識があるわけでないことから,計算社会学が学問として機能するためには,研究対象の見直すこと,独自の理論や用語の具体化を行う必要がある.

まとめスライド

image.png (431.3 kB)

感想
  • 計算社会学の研究を行う上での限界点や留意点についての論文だと思い,読んでみたら,想定していた内容とは異なっていた.

Maarten Wijnants, Eva Geurts, Hendrik Lievens, Peter Quax, and Wim Lamotte. Stay Tuned! An Investigation of Content Substitution, the Listener as Curator and Other Innovations in Broadcast Radio

書誌情報

Maarten Wijnants, Eva Geurts, Hendrik Lievens, Peter Quax, and Wim Lamotte. Stay Tuned! An Investigation of Content Substitution, the Listener as Curator and Other Innovations in Broadcast Radio. In Proceedings of ACM International Conference on Interactive Media Experiences 2021 (IMX ‘21), 120–133. (2021).

140字概要

この論文はラジオを通した音楽の消費について研究した.ラジオが進化してもしなくてもラジオ放送を支持し続ける重要な消費者グループの存在したり,刷新による聴取時間への寄与がなさそうだと分かったりした.他のグループはラジオを聴取し始めるために破壊的な誘因を必要としていることも明らかになり,バランスが求められる.

まとめスライド

staytuned.png (180.2 kB)

感想
  • 私は論文のラジオ(おそらく論文の「ラジオ」はリスナーのお便りを読むというよりはDJがどんどん曲を流すタイプの番組を指している)を聴いているリスナーは変化を嫌うだろうと予想していて,実際に調査で,刷新がなくてもラジオ局のキュレーションに価値を見出しているリスナーは離れていかないという傾向が分かったので納得感があった.

Brainstorm, Chainstorm, Cheatstorm, Tweetstorm: New Ideation Strategies for Distributed HCI Design(from CHI 2013)

書誌情報

Faste, Haakon, et al. “Brainstorm, Chainstorm, Cheatstorm, Tweetstorm: new ideation strategies for distributed HCI design.” Proceedings of the sigchi conference on human factors in computing systems. 2013.

140字概要

チートストーミングというアイデア生成をしない共同アイデア発想手法の概念を検証した.チートストーミングの方法は事前に大量のアイデアデータセットを作成する.新しい別テーマのアイデア出しの際に,データセットからランダムにアイデアを抽出し,その中からテーマに適するものを選ぶ.

まとめスライド

Brainstorm, Chainstorm, Cheatstorm, Tweetstorm_ New Ideation Strategies for Distributed HCI Design.png (182.1 kB)

感想
  • 既存アイデア出し手法の課題は,アイデアを生み出す部分に発生することが多かったため,アイデアの選択部分にのみ注力できるようにしたと言える研究で興味深い.