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2021年6月第3週朝活論文紹介

当研究室では毎週月〜木曜日の朝9:00-10:00は,研究室のメンバーで集まって英語の論文を読んで紹介するというイベントを行っています.

今週の朝活では,CHI2015,CHI2020,PLoS ONE 2013より下記論文を紹介しました.

  • You Tweet What You Eat: Studying Food Consumption Through Twitter(from CHI 2015)
  • QMap: Engaging Students in Voluntary Question Generation and Linking (from CHI 2020)
  • Personality, Gender, and Age in the Language of Social Media: The Open-Vocabulary Approach (from PLoS ONE 2013)

You Tweet What You Eat: Studying Food Consumption Through Twitter (from CHI 2015)

書誌情報

Sofiane Abbar, Yelena Mejova, Ingmar Weber:You Tweet What You Eat: Studying Food Consumption Through Twitter,CHI ‘15: Proceedings of the 33rd Annual ACM Conference on Human Factors in Computing Systems April 2015 Pages 3197–3206.

140字概要

Twitterを利用して,大規模なユーザの食事に関するツイートとユーザの興味や属性(地理,学歴,収入)を結びつけることで,食生活との関連を調査した。食べ物に関するツイートを大量取得し、ツイートからカロリーを算出。算出カロリーと、ユーザー情報やSNSとの関連を分析することで肥満と糖尿病を予測することができた。

まとめスライド

You Tweet What You Eat.png (144.0 kB)

感想
  • Old issues can be viewed from a fresh perspective. Obesity and diary habits are not new topics nowadays, however, this paper connected these topics with SNS environment and discovered things we didn’t know before.
  • ツイートや統計データの組み合わせによって、従来の調査手法に比べて様々なことがわかるようになった。一方で、食品に関するツイートの中には、比喩やことわざといったものも含まれていた。今後は、より正確かつ効率的にターゲットとするツイートを判別できる仕組みが必要となると感じる。
  • ツイートから病気予測までできてしまうほど、人は食べ物に興味があるのかと思った。健康管理のためにわざわざ情報を用意するのではなく、在る情報から予測できる点が、実用的かつより適切な情報を得る手段として優れていた。
  • 結果の学歴や収入と肥満度の関係などは感覚的にうなづけるものであった.この分析に加えて,フォロワーのツイート内容が食生活に及ぼす影響を調べることができたら面白そう.
  • 発展の研究として,Twitterを利用して色々な推定・予測ができそうと思った.もちろん既にたくさん研究が行われているはずではあるが,食生活とは全く異なるものだと,ツイート内容から学力予測・読書習慣の推定などができそうに思える.

QMap: Engaging Students in Voluntary Question Generation and Linking (from CHI 2020)

書誌情報

Iman Yeckehzaare,Tirdad Barghi,Paul Resnick. QMap: Engaging Students in Voluntary Question Generation and Linking. Proceedings of the 2020 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems(CHI ’20), Pages 1-14, April 25–30, 2020, Honolulu

140字概要

学習において,学習者が自ら作問することは効果が高いが,その作成は困難でモチベーションも続かない.本研究では学習者が作問を協調して行い,質問同士をマッピングして整理するQMapという方法論を提案した.実験とアンケートの結果,質問の品質が向上し,モチベーションは持続し,QMapの仕様はおおむね好評であった.

まとめスライド

QMap (2).png (160.7 kB)

感想
  • あるトピックを学習するにあたって,たくさんの問題が構造化されて形成される点は良いと感じた.一方で複数の方法論が混在しており,もう少し何が学習促進に貢献したのかを慎重に分析する必要があると感じた.
  • 本実験では,概念マップを作成するツールとしてdrow.ioを用いている.また,作成された質問のぐちゃぐちゃに配置されないように,実験者が裏で,作成された質問の配置を整理して表示していた.使用するツールに依存せず,レイアウトの整理を自動でおこなるとさらに実用的なツールになると思う.
  • 実際にこの手法で作問しながら学習してみたいと思った.しかし,この提案手法はある程度自分で調査して作問できる情報検索リテラシーや学習能力がすべてのチームメイトに必要なので実際に使える場面は限られるとも考えられる.
  • 質問を考えるにはその知識を深く知る必要があるため,他者との協調学習が有効になるが,実名の場合,質問を作成する分にはいいかもしれないが,修正したり承認するのがやりにくくなる可能性があると思う.

Personality, Gender, and Age in the Language of Social Media: The Open-Vocabulary Approach (from PLoS ONE 2013)

書誌情報
140字概要

本研究ではFacebookの投稿データを分析対象とし,テキストデータから性別・年齢・性格を予測するオープンボキャブラリーアプローチを提案した.このアプローチは,より大量のデータから分析することができ,従来の決められた語彙に依存しないため,意外性のある相関を発見することができる.

まとめスライド

Personality, Gender, and Age in the Language of Social Media_  The Open-Vocabulary Approach (1).png (216.7 kB)

感想
  • ワードクラウドを見ると,顔文字やハッシュタグとして用いられていることが予測できる形式の単語など特徴的な単語が抽出されていることが見て取れた.この研究では年齢だけでなく,性格もある程度の精度で予測できることがわかった.このことから意図しないプライバシーリスクにつながることが予想される.
  • SNSの文章から性格を予測できるというのがすごい世界だと思った。現在はネット社会なので、自分の生活の半分以上がネット上で行われている。ネット上では記録することができるので、この研究のように性格を分析することが可能だと思った。また、2013年はSNSが普及し出したところなので、性格しかわからないが、現在はそれから約10年間くらいのデータが溜まっており、それを利用すれば人の歴史を分析することが可能であると考えられる。また、人の書いた文章を使えば、個人情報をばらさずに(もしくは入力の手間を省いて)アカウント登録できそうだと思った。
  • 従来の手法であるLIWCと比較し、精度の高さ、トレンドへの対応のしやすさ、以外のある相関の発見など、優れた点が目立つ手法。今回の研究では、特定の所有格の利用頻度が性別に結びつくなど、テキストの癖が個人情報の特定に繋がりやすいと感じた。今回の手法の登場で、SNSに限らず、外部に発信する情報により注意を払う必要が出てくるだろう。
  • 手法自体は新しく,様々な面において便利だと思ったが,個人でもSNSのテキストから直感的に性格や年齢,性別などはある程度予測できるのではないかと考えていたため,あまり結果に関してはあまり興味深いものではないと感じた.多くの人を対象に客観的に表せることができるようになったことは行政や企業にとって有用性のあることだと思うが,個人的にはプライバシーの観点からあまり良いものではないと感じた.